不動産物件は、第三者へ権利を対抗するためには登記をする必要があります。ところが、注文住宅は建てる前には登記自体が存在しないため、新たに手続きをしなければなりません。具体的には、所有権保存登記と言って、当該建物の所有関係を公示する登記を、新たに作ります。登記には、甲欄と乙欄があります。

これは、土地であろうと建物であろうと共通です。そして、注文住宅を建てた後、自己の所有権を対外的に公示する時には、甲欄に所有権者であることが記載されます。これは、所有関係について表しており、権利が移転すればその都度書き加えられていきます。そして、乙欄には、所有権以外の権利に関する登記がなされます。

具体的には、抵当権や地上権といった物権や担保物権です。注文住宅を建てる時には、多くの人が土地や建物に担保権を設定して、住宅ローンを借りるので、その登記は乙欄に記載されることとなります。ちなみに、所有権都は異なり、抵当権の場合は、順位が異なった抵当権が一つの不動産に生じることがあります。権利が優先される順番に第1順位、第2順にといった具合に登記がなされます。

注文住宅の時には、銀行に抵当権を設定しますが、ほとんどの銀行は第1順位でしか抵当権の設定を受けません。これは、2番目以降では、優先される抵当権者が弁済を受けた後からしか弁済が受けられないので、確実に弁済が受けられる第1順位でしかお金を貸さないためです。したがって、注文住宅を建てる際には注意が必要です。